Cannes Lions

Yoshimura | 2011.7.10

デザイナー、AD吉村です。
今年のカンヌの作品の中から興味のある部門「Media Lions」と「Direct Lions」を中心に良いと思った作品をピックアップしました。
広告はお金をかけたイメージ広告よりアイディアが面白い物の方が好きなのでそういった作品を選んでいます。

Title: REPAY FOR GOOD
Advertiser/Client:UNICEF

ユニセフの募金促進のキャンペーンですが、普通に募金を呼びかけるだけではなかなか普段募金をするきっかけにはならないと思いますが、方向を変えたアプローチで募金を促している所が面白いです。
私たちは少額のお金を貸した場合、請求し辛いと感じて放棄してしまう事がよくありますが
どうせお金が戻らないのなら、そのお金を貸した友人に、スマートフォンを使い募金させてしまうと言うナイスなアイディアです。
貸した側は慈善活動への貢献に満足感も得られ、金に細かい等と思われる事も無く、借りた方も元々返さなければいけないお金であって貸り主は受け取らないのに、それを募金をしないというのはさすがに気が引けるという、人々の心理的習性を利用しつつスマートフォンを有効的に活用している所が非常によく考えられている企画だと思いました。

Title:THE FRIENDSHIP MACHINE
Advertiser/Client:COCA-COLA

ラテンアメリカには友達を祝う友達の日というのがある様で、そのキャンペーンの企画です。
日本でいう母の日や敬老の日などと同じ様なものなんだと思いますが、
大抵そういうキャンペーンは日頃の感謝の気持ちをストレートに伝える物が多く、
押しつけがましい印象になったりありがちになってしまいがちですが
友達と協力しなければ買うことが出来ない巨大コカコーラ販売機という遊び心と楽しさがある企画が素晴らしいです。
見ていてちょっと危なっかしい人もいたので日本だったら企画NGになってたかも?

Title:DRUNK VALET
Advertiser/Client:BAR AURORA & BOTECO FERRAZ

飲酒運転に対する啓蒙キャンペーン企画です。日本でも昔は個人の飲酒運転に対する意識が低く
1杯位ならちょっと休めば大丈夫といった風潮があったと思いますが、ブラジルは現在もその感覚の人が大勢いる様で
意識を高める為に単に教育的に危険だ駄目だというのではなく、駐車場のスタッフがドッキリ的な手法で飲酒運転する事がいかに危ないか身をもって気付かせるという試みが面白いです。
最後に種明かしの紙を手渡しますが、あの酔っぱらいを見た後だと、そこに書かれた「酔っぱらいに運転させてはいけません。それがたとえあなただとしても」というコピーはドライバーの意識改革に繋がる強い印象を残せたと思いました。

Title:HOMEPLUS SUBWAY VIRTUAL STORE
Advertiser/Client:TESCO

こちらはブロンズなのでわざわざ取り上げる必要も無いかと思いますが一応。
iphoneとアド広告の連携企画は沢山あると思いますが、必然性の無い企画は好きでは無いのですが
こちらはちゃんと連携させる必要があり、駅のホームでショッピングという発想もユニークで
忙しい社会人というターゲットに対するとても素晴らしい企画だと思いました。

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