カンヌの作品を見て

Tanaka | 2011.7.8

デザイナーの田中です。

先日代表の築地が足を運んだカンヌにて、発表された作品群の中で個人的に良い、面白いと思ったもの、気になった作品をまとめておきます。
数あるジャンルからかなりの数の受賞作品がありますが、今回はデザイナーとして、デザイン視点でいくつか挙げます。




「SWING / STARS / POOL」(計3作品)
安全運転を訴える広告。
いきなり正解を伝えるのではなく、一枚の写真を見せてから、一行の文字だけ付け加える。
たったそれだけでも、しっかり伝わる。
見た人が考えて込められたメッセージを導きだす、見る人の感性に訴えかける(まかせる)、というような大胆でユーモアのある伝え方だと思いました。
こういった見せ方は、海外では普通のCMなどでもユニークなものが多いですよね。



「SPLITTING HEADACHE」
激しい頭痛を表現したポスター。
少ない予算でアピールするため、結果ポスターの貼り方を工夫することでインパクトある広告にしました。というもの。
残念ながら僕は英語はろくに話せませんし、ほとんど読めません。
それでも見て理解でき、面白いと感じるのは、その作品が「難しいことをしていない」からですよね。
言葉(台詞)がなくとも世界中の人に面白いと感じさせる、海外の「猫とねずみのアニメ」しかり、いろいろと思案して凝りに凝ったデザインをするのも良いですが、世界共通でわかるようなビジュアルや、表現の仕方をうまく使って訴求する。結局の所、それが大切なのだと再確認しました。



「ALMOST EXTINCT」
1年ぶん毎日違う動物たちが描かれたカレンダー。
毎日ユーザーに赤いXを描いてもらい、絶滅してしまった(危惧されている)動物達を認識してもらう。というもの。
明確に訴求がなくとも、見てはっとさせられるものがありました。
見たその人の思考や感情に乗り移る、言葉とはまた違った、心に訴えかけるような表現。
「あれはこうでこういうことだから、そんなことしたらダメ!」と説教をして完結するのではなく、あくまで見る者にきっかけを提供して、人がそれを見て感じること、考えさせることもまた、デザインするということなのだと実感しました。

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様々な作品を見てみて、良いと感じた作品はどれも意外とシンプルで、なぜ今まで思いつかなかったのか、ありそうでなかった、といったものがほとんどでした。
受賞にあたって優れたデザインであることはもちろんかと思いますが、やはり「発想の勝利」といったものが多い、というのが感じた所でした。
今回感じたこと、考えさせられたことを活かせるようにしていきたいと思います!


今回はここまで。
以上、田中でした。

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